
30半ばで「一生独身」が頭をよぎる・・・
女子高育ちということもあって、初めて彼氏が出来たのは20歳の時でした。
彼氏いない歴=年齢という焦りがあった頃で、恋愛に対する憧れが強かったと思います。
社会人になる前に別れてしまい、社会人になった頃は仕事が楽しくて、恋愛をすることもなく4年が過ぎ、やりたいことを見つけて退職したので、恋愛に興味を持たない時期に突入。
新たな資格を持ち、さらに仕事や趣味が楽しくなってしまい、結婚願望も薄れ、そんな私を理解してくれる人じゃないと付き合いたくないと思うようになりました。
そんな状態で好きになる人というのは本当に好きになった人でしたが、付き合っても長続きしなかったです。
そのうち、私は恋愛や結婚体質ではないと自覚し、30代半ばに差し掛かるころには「一生独身」という人生を考えるようになっていきました。
仕事や趣味を犠牲にしてまで結婚・出産する気はなかった。
結婚への焦りは、まったくなかったです。
30代半ばに差し掛かると、仕事や趣味や友人といった大切なものが増えて、それらを捨ててまで出産・育児をする気持ちもありませんでした。
パートナーが欲しいとは常々思っており、それが結婚でも事実婚でもただの恋人でも良かったのですが、そんな都合のいい人はなかなか現れず。
それならそれで・・・と、まったく焦ることなく、日々の生活を楽しんでいました。
ただ、一生独身であるならそれなりの老後計画は立てないと・・・という気持ちでした。
お見合いのような形だけど、とても楽しくお話できた!
結婚願望は大してなかったものの、結婚そのものを否定していたわけではなかったので、チャンスがあれば拒むことはなく、今の主人とは、知人の紹介で知り合いました。
なぜか友人が合コンに誘ってくれたり、誰かを紹介してくれたりが重なった時で、主人との出会いはそのうちの1つでした。
初対面の時点で2人で食事に行くという、お見合いのような形です。
挨拶後の最初の彼の言葉が、「暑いですね」とか「今日はわざわざ・・・」という上っ面の社交辞令ではなく、「ところで臨床検査技師ってどんな資格なんですか?」という質問に、すごく親しみを感じ、緊張がほどけたのを覚えています。
その食事の席で3時間もおしゃべりしてしまいました!
初めて会ったとは思えないフランクな会話が出来る人で、ドキドキというより安心感のような心地よさを感じたのを覚えています。
「付き合って」と言われ、「今さら?」と笑ってしまった。
初対面の食事を終えてそのまま帰宅。
後日、紹介してくれた知人を通して連絡先を交換し、会う約束をしました。
その時に初めてお互いにのメールアドレスを交換し、それから時々電話やメールをしたり会ったりするようになりました。
特に「お付き合いを!」や「結婚を前提に!」といったような言葉はなく、「次どこに行こうか」「何食べようか」という感じで時間が過ぎて行きました。
このような関係が続くと、女性は「私は一体何なの?恋人なの?」「私たちは付き合ってるの?ハッキリ言ってくれない・・・」といった焦燥感が出てきて、「ハッキリさせてよ!」といったセリフが出てきそうなものです。
私はそういう焦りもなにもなく、ただその関係が心地よく、でも、このまま続くだろうなという安心感がありました。
ちゃんとした言葉もなくそのような関係が数ヶ月続き、温泉に行こうということに。
一人暮らしだった私の家にも来たり、旅行に行ったり。
私自身が結婚や恋愛を求めていなかったことも、このままで十分楽しい~!と思える要因だったと思います。
旅行にも行き、電話やメールも頻繁にする仲になって、やっと「ちゃんと付き合ってもらえたら」と言われたけれど、「ん?いまさら?」という感覚で、つい笑ってしまったのを覚えています。
それだけ彼との関係が私にとって当たり前でしっくりしていたんだと思います。
すごいところはないけど、”嫌なところがない”というのがポイント!
ちゃんとした言葉がないままというのはどの場面でもそうでした。
なので、ちゃんとしたプロポーズもないまま、家を建てる話が進み(笑)。
家を新築するというスケジュールまでほぼ出た状態で「結婚しよう」と言われ、ここでも笑ってしまいました。
嬉しかったけど、それより「当たり前」という感覚が強かったです。
それほど自然な流れだったと思います。
それまで何人かお付き合いしたことはありますが、結婚を本気で意識したのは彼が初めてでした。
一番の理由は、「彼には嫌なところがなかった」というところだと思います。
大好きだけどここがちょっと・・・という人だと、嫌なところが目立ってきてしまうと思いますが、彼にはここがすごい!ここが素敵!といったところは特になかったけど、嫌だなぁと思うところが1つもありませんでした。
きっと一緒にいたら楽しい!と、常に私も自然でいられ、それまで大事にしていた仕事や趣味、友人などを失うこともなく過ごしていけると思ったのです。
特にここ!というものがなくて常に自然でいられる、安心、心地いいというのは、特に私には、結婚にあたり一番いいことだったと思います。
私にとっては、ある意味”運命の人”。
結婚できて良かったとは思っています。
でも、正直、結婚前と後では、私自身は何も変わっていません。
変わったのは住所と名字だけ。
あとは何も変わらず、付き合っていた当時のままの彼との関係、仕事も趣味も友人もそのままで、そんな私の人生に、特に大きな影響を与えてくれるわけでもなく自然に彼が入ってきた、そんな感覚です。
あっけなくて拍子抜け・・・という印象ですが、それが私にとって自然であり、もともと考えていなかった結婚というものがすんなり人生に入ってきました。
結婚して激変!だと、心身ともに疲れそうですが、そんなことはまったくなく、自然の流れていつの間にかこうなったという感覚です。
とはいえ、仕事大好きで結婚願望もなかったような私と結婚してくれる人は、今の主人しかいないだろうな、というのは思います(笑)。
そう考えると、「運命の人」なんだろうな、と思います。
”最初に理想を持っていなかったこと”ですね!
私は、前向きに婚活をしてきませんでした。
だから結婚も35歳と遅めです。
もともと結婚すると思っていなかっただけに、親を含め周囲はとても驚いていましたが、彼と知り合って結婚に至るまでたったの1年。
この1年で家も建ててしまったんですから、本当に人生何があるかわかりません(笑)。
私は、最低限の常識程度のオシャレや魅力を身に付けることは大事だとは思いますが、結婚のために、相手を見つけるために、という目標設定は逆にしない方がいいと思います。
私が結婚してその後10年以上もこうして夫婦仲もよく過ごせている理由は、「最初に理想を持っていなかったから」だと思っています。
理想を持ってしまうと、「こんなはずじゃなかった」「こんな人だと思ってなかった」と言った現実とのギャップに怒りや後悔が出てしまうことも多々あるかと思います。
私は理想を持っていなかっただけに、何があっても自然な流れのような気がして、不満をもつことがありません。
もちろんケンカもしますし、結婚生活にはいろんなことがあります。
でも、「こんなはずじゃなかった」と思ったことは一度もなく、今でもこの人と結婚できてよかったなぁと思っています。
ただ、もともと思い描いていたような、結婚をしない「一生独身」の人生だったとしても、それはそれで楽しく生きているだろうなとも思っています。
それだけ、理想を持たなかったことが、いい結婚生活を続けていられる秘訣だと思っています。
結婚はゴールではありません。
結婚することを目的に自分を作っていたらその後の生活が辛くなることも考えられます。
出会った人が「ありのままの自分を受け入れてくれる人」というのも、とても大事なことだと思います。
実際にどんなに綺麗でも完璧でも独身の人っていますよね。
結婚に向けてあえて何かをするとしたら、出会いのチャンスは逃さないことかと思います。
ありのままの自分を受け入れてくれる人と出会えること、それが一番素敵なことだと、私は思います。